蒼い炎II-飛翔編- [本]
本当は本日発売予定だったのが繰り上げになったとはいえ、
既に10万部超えだそう。
本の売り上げは全て「アイスリンク仙台」に寄付されるそうです。
金メダル獲得者の会見とは思えない、重苦しい空気だったソチの記者会見。
あれからまだ2年しか経っていないんですね。
昨年は世界記録を2回更新するという快挙を成し遂げ、
更なる進化を見せてくれました。
その裏で常に怪我や病気と闘う日々。
報道からは想像できない過酷な状況。
「情熱大陸」で語られていたより遥かに深刻でした。
世界選手権は残念ながら銀メダルでしたが、
いやいやいやいや凄すぎる・・・。
自分を客観視する力と分析力が凄いのです。
忘れがちですが、まだ彼は大学生なんですよね・・・。
下世話な報道などで傷付いたこともあったでしょう。
避難所を訪れて避難生活がフラッシュバックして溢れた涙が忘れられません。
彼は強くありたいと思いながら繊細な心をも抱えているのだと思います。
大人たちが彼の人気に乗っかりすぎな気もする。
最後は前向きな発言も見られて良かった。
傷付き、立ち上がるたびに彼は強くなっていくんだ、という希望が見えました。
某ドラマで主人公の患者が
「クワ(ッ)ドアクセル」を降りたというのでざわついていましたが
羽生さん、やる気か…(笑)。
父にも彼の活躍を見せたかったな。
「東北の凄い子が出てきた!」と我が家は沸いていたのです(笑)。
羽生結弦 王者のメソッド (Sports graphic Number books)
- 作者: 野口 美惠
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/03/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
Number(ナンバー)900号 羽生世代、最強の証明。 (Sports Graphic Number(スポーツ・グラフィック ナンバー))
- 作者: Number編集部
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/04/14
- メディア: 雑誌
『奈良・古代史ミステリー紀行』 [本]
奈良の『謎』について書かれた紀行文です。
文体はかなりくだけているので読みやすいと思いますが、
ガイドブックとはちょっと違うのでご注意を…。
この著者、偏ってます!
藤原氏が好きでは無いようです。
春日大社の目の前まで来て、さり気なくスルー、とか(笑)。
個人的に、この偏り方は嫌いじゃないです(^^ゞ
正史と言われるものは、勝者の語る歴史。
どこまでが本当で、嘘なのかも実はわからない。
著者は、「蘇我氏=悪者」説に異論を唱えています。
飛鳥に行った時、
「蘇我氏ってそんなに悪い人たちだったのかなぁ?」
という感覚を覚えたのを思い出しました。
飛鳥寺の大仏さまのお顔を見ていると、漠然とそんな風に思えて来るのです。
奈良には何故か出雲神が多い、と。
そうなのですよね、確かに。
古代出雲とも何か関わりがあったのでしょうか。
謎は深まるばかり…(笑)。
Pen 5/15号 [本]
第一弾が大反響だった、
「神社とお寺」特集の第二弾。
今回はより掘り下げた内容ということのようですが、
仏画が好きな人はウハウハかもしれません(笑)。
私はやはり山の辺の道が気になる…。
石上神宮の写真が素敵なのです。
沿道には大神神社あり、箸墓、、黒塚古墳あり…
こりゃ~もうウハウハです(笑)。
私の憧れの神社は今回も載っておらず…。
いろいろ調べてみたら、悪い意味で親しみやすい雰囲気になってしまったようです。
ホームページには講へのお誘いも書かれていたり。
役小角が開いたといわれる山間の神社なんですが。
残念で結構がっかりしちゃいました。
目標を失った感じです。
また新しい目標を探そう(笑)。
『スペース』 [本]
明日の日食はどうなるのでしょうね~。
せっかくだから見てみたいですよね。
関東も少しは暗くなるのかな?
気付かずに仕事してそうな気もしますが…(苦笑)。
久々に加納朋子さんの作品を読みました。
『コッペリア』で挫けてから、随分遠ざかっていましたが、
「駒子シリーズ」続編ということで手に取ってみました。
う~ん。
今回は駒子というより、同級生が主役な感じかなぁ?
駒子は脇役のような感じで、瀬尾さんとの掛け合いもあまり無く、
不完全燃焼な雰囲気も…。
この、『スペース』は、『ななつのこ』『魔法飛行』の続編。
このシリーズは、日常に潜む謎に疑問を抱いた
駒子という典型的文学乙女(女子大生)が、
瀬尾さんという男性にいろいろ相談して
小さな事件を解決するお話。
駒子にとって、「謎」は、解きたいのと同時に、
瀬尾さんとお話しする口実だったりして(笑)。
「リアリストのロマンティスト」な駒子(瀬尾さん談)は、
ちょっと天然で、小市民、素直で純粋な割に、
恋の方は変な意地を張ったり…。
とまあ、不器用な女の子。
ちょっと自分に似てるなぁ、なんてところもあって、
今後の展開が気になるところです(笑)。
今回のキーワード「スペース」には、
宇宙、空白(空っぽ)、居場所などの意味が被せられていて。
自分の居場所を探して悶々とする女子大生たちの日々が綴られています。
女子大生と、社会人になってン年(笑)の私。
あまり変わらない悩みや不安を持っているようで、
自分の成長していないところを突っつかれたようで
痛かったりして(苦笑)。
「誰かの一番に」なりたいと願う駒子の気持ち、
「自分の正しい居場所」を探す同級生たち。
ハッピーエンドだった子、まだ答えの出ない子もいたけれど、
悩みながらも前に進んで行くのでしょう。
後編の「バックスペース」では、
文字通り後戻りして「本当の居場所」を見つけた同級生。
私も頑張らなきゃ、と思った、
恐らく無意味に悩んでいる、
ゆっきーなのでした(笑)。
Pen 7/1号 [本]
男性雑誌を買ってみました。
「Pen 7/1号」、寺社仏閣の特集です。
とても人気があって重版もされているようです。
最近、仏像ブームなどもあって、その流れもあるのかな?
この「ブーム」って言葉があまり好きではないんだけど。
「阿修羅ボーイ」って何!?って。
なかなか骨太でガツンと読み応えのある記事でした。
お寺の伽藍配置の比較図なども載っていたらなお良かったんだけど、
それは資料集でも見なさい、ってことですかね(笑)。
奥の深い精神世界。
建築の造形美。
ああ、また行きたくなってしまったぞ!
奈良に行きたい。伊勢も行きたいな。出雲も…etc
9月の5連休、また旅に出ようか。どうせなら遠くへ。
ああ、そう。また健康診断引っ掛かりました…(苦笑)。
白血球が足りないんだってサ。
一昨年引っ掛かったけど、昨年は平気だったので良かったと思ったのに。
あ~あ、また再検査。面倒くさい…。
ああ、旅に出たい! (←結局それかよ)
「small planet」 [本]
前から気になっていた本城直季さんの写真集。
「だまし絵展」でも展示されていて、やっぱり面白かったので購入。
日本国内を始め、海外の名所を撮影した写真集。
とは言っても、普通の風景写真じゃないんです。
見覚えのある景色が、ミニチュアのように見える不思議な写真たち。
錯覚を利用しているのか、特別な技を使っているのかは
わからないけれど、不思議面白い(笑)写真集です。
「だまし絵展」は、マグリット、エッシャー、ダリ、
このスモールプラネットの写真を目当てに行ったのですが。
マグリットグッズが無かった…。
展示されていた、「前兆」のポストカードが欲しかったんだけど…残念
グッズで一番充実していたのは、
宣伝でどどんと出ている、あの野菜人間みたいな絵かな(爆)。
ラッシュライフ [本]
一見無関係な人たちに、次第に繋がりが見えてくる。
会社を解雇になり、上司への復讐を試みる中年男性。
サッカー選手と不倫をし、
お互いの配偶者を密かに殺害しようと企むカウンセラー。
宗教にはまる若者。
泥棒。
彼らを取り巻く人々。
舞台はやはり、仙台(笑)。
日常的な風景の中に、実は普通では無い事件が潜んでいる。
人生の歯車はいとも簡単に狂い、
戻る瞬間も突然やって来る。
その時の見極めなんてそう簡単に出来ることでは無くて、
人並みや時間に押し流される。
伊坂さんの作品は、何が正しくて何が悪なのか
どんどんわからなくなってしまいます。
ただ、器用に生きられない人間に意外と救いの手を述べているのかな?
決定的な解決には至らなくても、
希望を持たせる結末。
エッシャーの「上昇と下降」と坂口安吾の「白痴」の中の一言が
随所で効果的に使われています。
タイムリーなことに、今、Bunkamura ザ・ミュージアム で
「だまし絵」展を開催中なので「上昇と下降」を観て来ました。
グルグル回り続ける人々は、その歯車から外れることを許されないよう。
しかし、ぽつんと一人で階段に座っている人は、
その歯車に加わることさえ出来ない人なんだろうか?
色々な意味で謎を含む絵ですね。
そして、この「ラッシュライフ」は映画化も。
「死神の精度」のような売られ方はされていない感じがするので、
映画もちと気になります。
続編の「フィッシュストーリー」はまだ文庫化されないかな…?
あ、そうそう、少しグロ描写の場面があるので
苦手な方はご注意を…。
『夜は短し歩けよ乙女』 [本]
黒髪の乙女のレトロなイラストがかわいらしい文庫版。
主人公の男子大学生が一目惚れしたサークルの後輩、
「黒髪の乙女」と近しい仲になろうと無意味に奮闘するお話です(笑)。
「奇遇」にもたまーに(笑)遭遇するふたり。
本当は、主人公の「先輩」が追い回しているだけ(笑)。
彼女はそんなこともつゆ知らず、ただひたすらに「オモチロイ」ことを
追いかけてあっちへ、またこっちへ、と歩き回る。
会いそうでなかなか会えず、すれ違いの日々。
悶々とする主人公を「頑張れ!」といつの間にか応援してしまっていました。
しかし、この彼女、相当「変な子」な気がするのです(笑)。
天然なのか?いや、やっぱり変わり者か?
大きな緋鯉のぬいぐるみを背負って歩いてみたり、達磨を首から提げて歩いたり…。
舞台は京都ですが、「憧れの雅な都」の風景というよりは、
百鬼夜行やら魑魅魍魎やら闊歩していそうな「アヤシイ街」に見えます。
そんな中に出てくる登場人物たちもクセの強い人たちばかり。
皆の「御都合主義」がぐちゃぐちゃに混ざり合って、お話は進んで行きます。
淡々としつつも、変ちくりんで妙ちくりんなお話ですが、
結構この世界観は好きです(笑)。
「黒髪の乙女」は、夜のアヤシイ街、小路をひとり歩いてみたり、
お酒をたくさん飲んでみたり、いろんなところに首をつっこんでみたり、
なんだかちょっとうらやましくなってしまいます。
本当に風変わりな女の子ですが、お話が終わりに近づくにつれ、
主人公がこの子を好きになった気持ちがなんとなくわかる気がしてきます。
なんとも愛らしく思えてくるのです(笑)。
純粋で、真っ直ぐで、気持ちのとっても優しい子なんですね。
ふたりがようやく手をつないだ時は、涙腺がヤバかったです(笑)。
吉田神社に願掛けをして、パンツをずっと穿きかえなかったという
「パンツ総番長」の恋のお話にもやられました。
私も大切な人と手をつなぎたいぞー!
夜は短し歩けよ元乙女!(笑)
ちなみに、単行本の表紙には主人公も登場しているようです。
なんだか怪しい人みたいですね…。
↓
『重力ピエロ』 [本]
壁の落書きと連続放火事件。
28年前の連続強姦事件の影が垣間見えて来て…。
なんというか、「何が正しいのか」わからなくなってしまう話です。
題材はすごく重いものだと思うけれど、
それでも読み進められるのは文章のリズムのせいなのかな?
気負わず読めるけれど、
決して罪や人の痛みを軽んじているわけでもなく。
泉水と春の兄弟は父親が違う。
春の父親は強姦魔。
春は、ずっとその傷を抱えたまま成長して行きます。
春だけではなく、家族全員が。
それぞれ個性的な家族だけれど、
家族のあたたかさと強い絆に救われる気がします。
誰かひとりが抜けても、だめだったのでしょう。
もちろん、春だって。
大人になった兄弟の周辺で始まる連続放火事件。
犯人探しを始めるふたり。
兄弟は、それぞれが別々の順路を辿って、
同じ目的へと走り出したのでした。
結末は、途中で大体見えてきます。
でも、犯人探しが重要な話では無いのでしょう。
ネタばれになってしまうので、
あまり書けませんが…(笑)。
終盤の一場面。
入院している父と、春の握手の場面は泣きました。
電車の中なので困りました(^^ゞ
重かろうが、軽かろうが犯罪は犯罪。
命を奪われるだけが、被害では無いのだということを
強く感じました。
酷い目に遭った本人だけでなく、
周りの人にも痛みを与える。
謝罪したからと言って罪が軽くなるのは
納得もいかないのです。
実際にしたことは事実で、
その加減が軽くなることなんて有り得ないのだから。
事件の前に時間が戻ったりすることは決して無いのだから。
『夜市』 [本]
文庫化を待っていた、『夜市』をようやく読みました。
異界の者たちが開く、不思議な夜市。
子供の頃、野球の才能と引き換えに、
弟を売ってしまった兄。
世の中から存在が消されても、
兄だけには記憶が残っていて…。
取り戻す為に、再び夜市に向かう、というお話なのですが。
どこかで、同じような話を目にしたような気がしてしまうんです。
もしくは、夜市の世界に引きずり込まれて
そう思わされてしまっているのか…?
この結末はハッピーだったのかな?
兄弟どちらにとってもハッピーじゃない気もするなぁ…。
同時収録されている、
『風の古道』。
こちらも表題作に劣らず良かった。
世界感はこちらの方が独特かも?
この世のすぐ隣にある、異界の道。
いろいろな者(生者、死者)の行き交う道。
そこに迷い込んでしまった、
少年の夏の日の話。
淡々と話は進んで行きますが、
奥の深い話でした。
レンと旅をしてみたいなぁと思ったり(笑)。
古道の者と認められた人は、
『種』をもらいます。
自らの骸を苗床にして、
種は大樹にまで育ち、旅人を見守る。
なんだかぐっと来ました。
以前読んだ、『童話物語』にも似たような場面があったのを
思い出してしまいました。
ホラー大賞を受賞した作品ですが、
いずれも単なるホラーでは無くて、
ファンタジーっぽい感じもあるし、
心理描写などは現実的だし…。
と、ジャンルの垣根を越えた作品のように思います。
直木賞候補作が発表されましたね。
今回はどの作品が選ばれるんでしょう。
- 作者: 宮山 香里
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2001/07
- メディア: 文庫